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ルナは、テラの衛星であり、もっとも早く 居住が可能となった星である。クレーターに覆われた岩石の固まりであったルナは、人為 的に人の手が加えられ、僅か数年で緑が生い茂る人類第二の故郷となったのである。

その後ルナ人口は増加の一途を辿り、今や星の表面だけでは到底居住区域を賄いきれなくなった。そのため、現在では二層に及ぶ地下都市が形成されている。テラにせまる勢いで繁栄を続けるルナではあったが、やはりここも多くの問題を抱えていた。その最たるものが、テラの宗主権である。

かつてテラの植民星であったルナは、その他の衛星都市が次々と独立してもなお、事実 上テラの支配下に置かれていた。双方の遺恨は同じような問題を抱えているマルスとフォボス、ダイモス両衛星都市のそれより、数段 深刻なものであった。

そこに発生するのは、いつの時代でも独立を求める人々の叫びであり、状況を打開でき ない政府に対する急進的な活動である。 ルナには大小合わせて五十以上のテロ組織があったが徹底的な摘発のため壊滅的状況に 陥っていた。だが、その状況下で再生したのがIB(イレギュラー・ブレイン)であった。

10年ほど前、新たな指揮官ドライが現れるやいなや、飛躍的に勢力を伸ばしはじめたIBの行動範囲は全宇宙に及び、フォボス等と連動してテラ主導型の惑連に反発し、真の 平等を求める反政府活動を行っているといわれている。

だが、どの様な主義主張を持っても、暴力であることには変わりない。ルナ市民は無差別とも言えるIBのテロに恐れつつ日々を過 ごすといっても過言ではなかった。

     それら凶悪な事件に対応するため、惑連が組織したのが『特務』である。だが、彼らが人ではなく人為的に作られた『亜人種』であ ることが、大きな問題になりつつあった…。

 

 

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